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2008/04/30 22:40
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先日、会社に出勤し朝の挨拶に階を回っていると、営業部の重鎮であるSさんが自分の机からチョイチョイと僕を手招き、
「今朝突然パソコンにエラーが出て立ち上がらないんだけど、直せる?」
と手のひらを顔の前で合わせて頼み込んできた。
ここで相手がSさんでなければ、
「私も詳しくないので、社内でのそういう問題なら、システム一切を納品しているソフト会社に連絡してください」
と、にべもなく断るところなのだが、なにせSさんは僕より何倍も長〜く勤めており、会社での地位は天と地ほども違う古株中の古株。
それにも関わらずSさんというのは、普段から決して他人に威張るところなく、誰とでも気安く接してくれる出来た人であるばかりか、お互いの趣味的な部分が通じたか、特に僕とSさんはどこかしらウマが合っていると思う。実際にも、これまでなにくれとなく目をかけてもらってきている。
おまけに、そのトラブルを抱えたノートパソコンときたら、以前僕が、
「Sさん、買い換えるならコレにしましょうよ。持ち運びにも便利だし、絶対間違いないですよ。オススメしますよ僕は。」
などと胸を叩いて、Sさんに購入に踏み切らせたブツなのである。
これは一丁、腹を括らなければならんだろう。
で、どういう状態なんですか?
と訊きながら、途方に暮れた表情のSさんの席に近づいていき、開かれている液晶画面を見る。そこには、Windowsが立ち上がる直前の真っ黒な画面表示のまま、その上のほうに白文字で
”次のファイルが存在しないかまたは壊れているため、
Windowsを起動できませんでした:\WINDOWS\SYSTEM32\CONFIG\SYSTEM
オリジナル セットアップ CD-ROM から Windows セットアップ
を起動して、このファイルを修復できます。
修復するには、最初の画面で 'R' キーを押してください。”
と書かれており、PCは完全に停止していた。
ポチポチ押してみるが、キーボード操作などもまったく受け付けない。
昨日、なんかしました?
「多分普段どおりのことしかしてない思う。よくわからない」
と予想通りの頼りないお返事。
電源ボタンを押して強制終了。再度通電させ、セーフモードを試みるも状況は同じ。
このままではよくわからないので、いったん階下の自分のデスクに戻り、先ほどのメッセージをキーワードにしてネットで検索してみる。すると、どうやらWindowsの根幹であるシステムのレジストリファイルが破損している、ということらしい。あ、その言い方は間違ってるかもしれない。とにかく僕はそういう解釈をした、ということだ。
解決できそうなサイトを当たっていくことにすると、運良く本家マイクローンソフトのサポートオンラインに、まったく同じメッセージが出たときののトラブル回避法が掲載されていた。ちなみにトラブルを起こしたノートパソコンはWindowsXP HOME(SP2)が入っているからこれに間違いないだろう。
ページを読んでいく。解決法としては、まず第一に「回復コンソール」を実行しろとのこと。回復コンソールというのは、XP以降のOSに追加されているシステム修復のためにマイクローンソフトが用意した手法らしいが、よくわからない。
ところが、回復コンソールを使うには、その機能があらかじめ入っているWindowsXP正規版のセットアップディスク(CD-ROM)がないとダメらしい。
このノート、プリインストール版(HDDに初めからOSがセットアップされてる)なんで、付属物はリカバリCDしかないんだが…。
しかも続けて読んでいくと、OEMによってインストールされたOSの場合、回復コンソール起動中にエラーが発生する恐れがあるとの注意書きが。当然、正規版のパッケージを購入してインストールした覚えなどはない。ゆえにこのノートはOEM版と見るのが正しかろう。
というか考えてみると世の中、OEM供給でプリインストール版(CD-ROMなし)のメーカーパソコンだらけだと思うのだが、気のせいだろうか?
第一の方法は横に置いといて、次に書かれた第二の方法を読むと、そこには「起動ディスク」を使用し、一番目と同じように「回復コンソール」を立ち上げろと書いてあった。起動ディスクならば同サイトからフロッピーディスク書き込み用に無償配布されているから入手が可能である。もっともOEM版エラーの呪縛からは逃れられないかもしれないが。
とここまで読み進めて、ふと気づく。
Sさんのノートパソコン、富士通のFMV-B8210っていうんだけど、
本体にFD(フロッピーディスク)ドライブもCDドライブもついてない、いわゆる小型軽量モバイルノートPCなんだが、どうやってそれらのファイルを読み込ませればいいのだろうか?
だいたい、外付けフロッピードライブなんてデスクはおろか会社中探したって出てくるわけないよ。と思ったら、あ、隣りの机にマック専用のがあった(笑)。
Win用はやはり見つからず。ちっ、外付けCDドライブなら、スーパーマルチドライブ搭載のI-Oデータ謹製の逸品が手元にあるというのに。
かくなる上は禁断のリカバリか。
そこで―、
Sさん、中のデータ全部消えてもいいっすか?
リカバリでOSは復活できると思いますけど…。
と努めて明るく訊いてみる。
「うーん…。会社の(オリジナル)ソフト再インストールしてセットアップするのに(外部のサポート担当に来てもらうなどで)また何万円かかるかわかったもんじゃないし、ほかにも私が全国を走りながら撮り溜めた各地の名所巡りの写真データが、そこだけに全部入ってるんだけどね」
と、深々とため息と一緒に呟くSさん。
そういうことならきちんとバックアップとってください。orz
それだったら新しいパソコン買ったほうが早いですよね。
「で、もうなんとかならない?」
と、さすがそこは地方を飛び回る敏腕営業マンのSさん。すぐには諦めず、冷たい雨に濡れそぼった子犬のような眼差しで執拗に食い下がる。
なりません、と言いたい所なのだけども、この百戦錬磨のパワープッシュにどうして敵うことができようか。
普段から世話になってるし、このノート勧めたのも自分だし、というジレンマに負け、じゃちょっと待ってくださいということで再び自分のデスクへ戻る。
ネットに繋いで仕事そっちのけで本格的に検索。
検索対象を端からクリックしていくと、こんなページに巡り当たった。
"CDブートの回復コンソールディスクを作る"ですってよ。
まさしく救世主の降臨である。
そして小一時間後、僕の手元には、ラベル面に黒マジックで
「緊急起動ディスク(マルチブータブルCD)」
とふとぶとと書き殴られた一枚のCD-Rがあった。
ふっふっふ。自分のパソコンで動作検証済みだし、イケル、イケルぞこれは―っ!
◆
CD-Rを片手に階段を一足飛びに駆け上がり、目指すは営業部屋。
ノートパソコンにI-Oデータの外付けスーパーマルチドライブを繋ぐ。
ドキドキしつつ電源をオン!
すぐに、「F2」キー(だったかな?)を押下。「BIOSセットアップユーティリティー」を呼び出し、中のメニューで起動ドライブの順番を選べるので、最初にCDドライブを読み込むようドライブの順番を入れ替える。
入れ替えが終わったなら、セットアップユーティリティーも終了させる。
すると自動的にPCの起動が再スタートされる、と……
”次のファイルが存在しないかまたは壊れているため、
Windowsを起動できませんでした:\WINDOWS\SYSTEM32\CONFIG\SYSTEM
オリジナル セットアップ CD-ROM から Windows セットアップ
を起動して、このファイルを修復できます。
修復するには、最初の画面で 'R' キーを押してください。”
CDドライブ認識してないよ。orz orz...
その後、幾度となく電源投入の順番を変えるなど試してみるも結果は変わらず。
やはり、CDドライブそのものが認識されていないと考えるよりほかない。ダメなのか「信頼のI-Oデータ」であっても。
もはや打つ手なし、という空気が辺りに流れる。
でもまだ諦めるには早いのだ。
泣くのは、富士通純正CDドライブでの起動を試してからだ。
一滴の望みをかけ、一年程前そのノートを購入したショップにメールで問い合わせを。
理由をこれこれと話すて頼み込むと、なんとかかんとか店頭に持っていけばCDドライブ起動を試させてもらえる事になった。
勤務時間が終わるのを待って、Sさんのクルマでショップへと向かう。
店頭に出迎えてくれたサービスの女性に、
「よくあるトラブルなんですよねぇ〜。私も過去に壊したことありますし結構厄介かもしれませんよ」
と軽く脅しを入れられ、多分これでも起動すると思いますよ、と無印品の持ち運び型のコンパクトなCDドライブに繋いでみると、なんとあっさりCD内の緊急起動データを認識。
「どうします?レジストリファイル修復は危険だしデータ救出の見込みが出来ないので、本来業務としては受け付けないんですが、修理できようができまいが修復を試したいということであれば、¥3,000頂くことでチェックのみお受けいたしますが…」
ん〜と…、その、今クルクル回ってるCDドライブ、買うといくら?
「えっ…と、¥2,700ですね」
じゃ修理は止めて、それ、ひとつ下さい。
「ふふっ、頑張ってくださいね」
と丁丁発止のやりとりを経て、CDドライブを購入。修理費出しても結果がついてくるとは限らないことがわかったので、やはり自力で何とかすることにしたのである。今度はドライブも認識できてるから、少しは光明があろうというものだ。
自分で壊せばまだ納得がいくというものだ。
しかしながら、ついでだからと店頭のおねーさんにはいろいろ聞いたのだが、Windowsのレジストリファイルって、不意にあっさり壊れやすい割には、一度壊れるとWindowsにアクセスすらできないほか、修復も決して容易とはいえないものらしい。さらにはその修復自体もかなり綱渡り的不安定さを秘める作業であり、最悪、修復しようと試みた挙句完全に破壊してしまう悲惨な事例も多いのだとか。
まったく、子は親の背中を見て育つとはよく言ったものだ、なっ、マイクローンさんよ。
など悪態を以下1,000万行くらいついてから、さてもう勤務時間外だけど、本日は再び会社に戻ることにする。
いざ破壊修復作業を開始することにしよう(ダメもとで)。<続く>
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